
安さ爆発!好立地!軽井沢プリンセスペンション
駅から近い割には閑静な木立(*001)が存在し、その中に今回の宿泊先「軽井沢プリンセスペンション」はあった。失礼な話、写真で見るととっても綺麗です。ちなみにこの写真は宿泊して翌朝、晴れ渡った青空の下で取ったもので、近寄ってみると部分部分はかなり古びていて片付いていなかったのも事実。。。
ともかくペンション到着した初日は、夕方に近い時刻で雨が降った後の木立の中ということもあり、かなり印象は寒々しかった。しかもペンションの前の部分の道だけ、舗装されておらず荷物で重くなっているトランクケースの車輪が心配になった。
その道路からペンションの駐車場に入り、玄関に近づきながら、「気にするな!素泊まりで寝るだけだ!」と自分に言い聞かせている、ペンションにははなはだ失礼な自分がいた。
今回この旅想記で、こういう非情とも思える評価を綴るが、あくまでも誹謗中傷を目的としてものではないことを宣言しておきたい。
素直(?)な僕なりの個人的な表現なので、それによってこの宿泊先のペンションや、そして軽井沢という町が、確定されるべきものではないし、すべてではないことにご留意してお読み頂きたい。(*002)
と、ここで閑話休題。
話を戻して、玄関に近づいていくと、玄関脇の錆付いた写真では綺麗に真っ白に見える螺旋階段の裏側に、しまわれていない脚立が立てかけられてあり、お花用の肥料らしきものが無雑作にほって置かれてあった。
乙女もはじらう名前のペンションの軒下に脚立と肥料とは、何事か!と思われる向きもあろうかと思うが、去年の山梨観光でペンションのほとんどは概ねこんな感じだったことを僕は承知していたので、まぁこんなものかと・・・。
そりゃ、片付けてほしいし、ペンションがどの程度のものであれ、観光地にあってその営業姿勢は見直して頂きたいものですな。
玄関ドアの取っ手の横に小さな寒暖計が掛かっていたので見てみると、10℃を下回っていた。冷蔵庫並みの冷たさだ。
しかしその冷たさ寒さに背中を後押しされて、やっと二重になっている玄関に入ると、左手に対応カウンター、右手にシューズボックスがあった。
プリンセスと名のつくペンションの靴脱ぎ場に、すのこはどうかと思われた・・・。(*003)
玄関周りには、おおむねこういった名前のペンションに多く使われている演出としていわさきちひろの絵が飾られてあった。
靴を脱いで、誰もいないカウンターに行って、ガムテームで止められたブザーを押して待つ!
待つ間、カウンターの上や向かいの壁、そして周りを見渡すと、とにかく雑然としていた。いろいろなところに、業務で必要とされるものが、必要に応じて置かれ貼られている。
まぁホテルでデザインされソフィスケイトされた営業スタイルをまったく意識していなのであるから当然だ。でももう少し片付けてクレヨン♪
カウンターの向かいの出入り口から厨房に通じるようになっているらしく、作業している人間のざわめきが聞こえてくる。
ブザーが鳴ったのは聞こえているはずなのに、もう一度ブザーを押そうか、声をかけようか、そんな迷いが芽生え始める微妙なタイミングで対応者が出てこられた。
わ、若い。バイトくんかな。20代男性がエプロンを付けて、いままでなんらかの作業していたばかりといった雰囲気を漂わせつつ現れた。後々、口コミ情報から考えてみるに、この方がペンションの2代目らしい・・・ような気がするかもしれない。
ともかく名物オーナーとのファースト・インパクト(*004)に備えていた僕にとって、ほっとすると同時に妙な気疲れを覚えて、実直そうな青年と率直な中年の僕は、館内の説明と周辺の観光スポットの説明を受けチェックイン対応を無事済まし、とりあえず安心してあてがわれた12号室に入ったのだった。
素泊まりの一番安い料金プランなので、あてがわれた部屋の12号室には、横窓しかなかった。
無論これは当然しかるべき(悲しいけど・・・)ことであって、仕方無い。もっと言ってしまえば、仮にペンション正面側に窓が付いていたとしても、味気ない砂利の駐車場が主に望めるだけだ。・・・でも、いいなぁ。。。
それよりまぁこれも仕方ないことで、口コミ情報にも激しく書かれてあったのだけど、床暖房が入っているおかげで、部屋にタバコを主体とする匂いが充満していた。
これには妻がたまらず、すぐに窓を開けて、僕は換気扇を回した。ものの10分ぐらいでさっきまでの匂いは何だったのというくらい無くなった。
部屋は当たり前だがそれなりに清潔に感じられたが、なにせ最初にあの匂いなので、部屋中に匂い物質が滲みこんでいるようで、せっかくの清潔感のかなり減点してしまう。
荷物をほどき、ベッドに寝っこがって一息入れる。天井の梁の隅に蜘蛛の巣が・・・。
ペンションの名前は、プリンセスペンション・・・。
王子様が来るまで、蜘蛛の巣の張るお城で眠る僕たち・・・。
ペンション館内は古びていはいるが、それなりに清掃はされ、もちろんゴミやチリは落ちていない。
むろん通常泊まる側としても、ペンションのチェックをしに来ているわけではないので、これらのことは当然だ。
楽しい楽しい心弾む時間を過ごし、素適な思い出にするために来ているので、粗探しをしたのでは、興を削ぐというものだ。(*005)
しかしサービスを受ける側の目は厳しいものだ・・・。良いところは1ポイントづつ評価を重ねても、悪いところは5ポイントづつ下げるのが消費者というもの。(*006)
個人経営で部屋数が20室ぐらいあっては、常に清潔万全の状態にしておくためには、本当にちょっとした気付きにすぐに対応してゆく腰の軽い行動力が必要だ。だから厳しい口コミ情報にもめげず、頑張ってほしい!軽井沢プリンセスペンション!
炉階段の様子。さまざななメルヘンチックなアートフレームや雑貨小物が飾られている。
僕たちの泊まった12号室は、この階段を上がって、右側の廊下の突き当たり、駐車場側にある。
宿泊客の人数単位にフレキシブルに対応するためだろう、僕たちの部屋は二人で泊まるのに、3つベッドがあった。どう考えても2人分のスペースなのだが、そこに小さめのベッドが3つ入っている。
これも口コミ情報で書かれてあり、承知の上だったので、まったく問題なかった。後で館内の清掃・ベッドメイキングタイムの時に他の部屋が見えてわかったのだが、他の部屋も宿泊客の人数に合わせてというよりは、部屋に入るだけのベッド数といった感じでベッドが置かれてあった。
口コミ情報では、この狭さがかなりご不満の宿泊客もあったが、ペンションの経営的都合を考えると頷いてしまうし、ペンション側の説明にもあったように、ソファーがわりに使えばいいと思った。
とにかく軽井沢の好立地にあって、しかもこの安さにあっては、苦言としての対象とするべきところではない。
ペンションというと、どこかメルヘンチックで、ほやほやふわふわとして、温かみと安らぎに満ちていて、そのくせ切ない欲望に満ち満ちているカップルにふさわしい宿泊施設のように思われるが、よっぽどこだわった、もしくは高級でないかぎり、雰囲気はあきらかに家族連れや学生を対象とした民宿だ。
ここも付き合って初めてお泊りする初々しいカップルには、控えめに言ってもお薦めできない。「プリンセス」というテーマのために、精一杯演出された雑貨や小物が痛々しい・・・。(*007)
素泊まりプランで、チェックイン時の説明で特に説明がなかったせいだろうか、ラウンジがあるらしいのだが入りづらく使わなかった。
遅ればせながら、いい点も挙げておきたい。
まず気を使わなくていいということ。(*008)
そしてお風呂は普通の大衆浴場だが、お湯が気持ちよく、肌にとってもいい泉質成分が含まれている。しかも24時間入れる。
トイレと洗面所はとっても清潔。もっとも水周りが衛生的であることは宿泊施設として、インテリアや雑貨の充実なんかよりは、最低限の基準で、これが管理できないのなら廃業するべきだと思う。
ともあれ、われわれ夫婦の住まい以上にきれいにしている宿泊施設は、めったにあるものではないと自負している、ふっふっふっ。
特に妻は僕たちの住まい以外では、安心した清潔度を感じつつ眠ることは、まずないのだ。
ペンションの話は、それぐらいとしよう。
部屋に落ち着いて、荷解きをしたあと、さっそく僕たちは、この軽井沢の地に触れるために、ペンションを出たのだった。
到着当日の半端な観光時間は、ペンションから見て軽井沢駅を挟んで向こうのすぐ側にある巨大アウトレットショッピングモール「軽井沢ショッピングプラザ」へ行くことに!
前もって調べておいたので、このアウトレットの内容はだいたい把握しており、実は僕たちの住まいから電車で30分程度にあるアウトレット・ショッピングモールと似た内容であったので、わざわざ軽井沢まで来て、そのアウトレットショップに必要以上の時間を割くのはもったいないのだ。(*009)
なので帰りの日に、迷わずサクッとお土産が買えるように、前もってお土産選びを主な目的として、僕たちは軽井沢の最初の夜を満喫するために「軽井沢ショッピングプラザ」へ向かったのであった。
