
旧軽井沢銀座を通り抜けて!
軽井沢(*001)は、昨今の「ヘルシー、グルメ、地物」の流行を受けて、今の様子を見てみれば、写真のハチミチ屋さんのような、地元名産産地直送を謳った食品・食材のお店が軒を連ねていて、とても人気だ。
このお店は天狗屋養蜂店。養蜂を営むオーナーが構えた店で、常時30種類以上の国産ハチミツをそろえており、試食したうえで購入できる。プロポリス配合の化粧品もある。
・・・と、そんなことに興味を持って撮影したのではなくて!!!
あああああぁぁぁ!見てしまった!やってしまった!
・・・という言葉が、見た瞬間、僕の胸ではじけた!!!なんか著作権ぎりぎりひっかかりそうな危ういマスコット人形が、まるで共産主義のもとでしか見られないような純真無垢な表情のマスコット人形!!
昭和の雰囲気いっぱいだが、実は新しいマスコット人形。膝の傷がイタイタしい。それでも彼は微笑んでいる。
あぁ、作っちゃいましたか。
このマスコット、名前はあるのだろうか?天狗屋なので、「テンちゃん」とか?!そりゃ、うる星やつら(*002)になっちゃうなと思ったが、虎シマのおパンツなんぞがまたこれソックリだったりする。・・・別にいいけど。
そしてドレッシング大好きな妻が気に入ったサンクゼール。素材の味を活かしたジャムやワイン、ドレッシング、ソースなどを販売している。豊かな田舎=Country Comfortと、教会&聖書をアイデンティティイメージとして、とても商品作りに対して、営業に対して、気を配っていることが感じられるショップだ。
妻にはうれしいサンクゼール・オンラインショップとして、ネットショップ展開も行っている。
こういったショップが好きなくせに、妻はたぶん忘れているのだろうが、このサンクゼールの実店舗は関東にも多くあり、僕たちもどこかの店舗は一度は訪れていることは間違いなく、忘れていることも間違いない。
店内には、イタリアのドレッシングなどが入っている壜の形でみかける、三角錐のドレッシングやソースが棚にいっぱい陳列してあった。よく見るとシンプルな壜とデザインなのだが、すぐにこれだけの商品開発に活かせるのは流石だ!
陳列してある様は、まるでオブジェのようであり、これが特に何のためのものかを気にすることなく、僕のハートを揺さぶる。モダンなキッチンスタイルにぜひ置いておきたい調味料の壜だ。
妻はもちろん置いておきたいだけではなく、しっかり料理に使いたいのと、お土産にしたいので、一生懸命まるでお客ではなく売り手であるかのごとく、僕にプレゼンしてこの商品を百年前から知っているかのごとく購入を薦めるのであった。
まっ僕が購入すれば、オブジェとして3年ぐらい封を切られることなく、キッチンにほっぽって置かれることになるのだが・・・。(*003)
あまり旧軽井沢銀座通りには、観光の比重をかけたくないと言った僕ではあるが、旧軽井沢銀座通りにはもちろんそれなりに見るべきスポットもある。
この軽井沢写真館では、明治・大正の上流階級を演出した衣装スタイルで、優雅で上品なセピアカラーの写真が撮れる。
時間に余裕があれば、チャレンジしたいと思った。キンキン(愛川欽也)とケロンパ(うつみ宮土理)が撮影した写真なんかも店頭に出ていて、店内を見てみると衣装を着たモデルのお客さんが、フリフリだらけの衣装でもっさりもっさり移動していた。野暮ったい日本人顔が、逆にそれなりにあのころの日本人の上流社会を彷彿させるのに似合うのだろうけど、あの格好を伊藤美咲さんなどの顔のさらりとした身長のある美人がすると、洒落にならないくらいキマる感じがする。
そもそもなぜ旧軽井沢銀座通りに来たかといえば、別に久しぶりに来て、あぁ懐かしいなぁとノスタルジックに浸るとしても、その確率は消費税率以下のものであり、主な目的としては、教会巡りをするための通り抜けのためなのだった。
案内ガイドを見ると、旧軽井沢銀座通りの中ほどより交差しているチャーチストリートと呼ばれる施設があり、そこを抜けると目的の2、3の教会に行けるようだったので、向かってみるとチャーチストリートなる施設はショッピングモールで、さまざまなショップが入っていた。
なかなか雰囲気のあるインテリアや雑貨のショップが多かったが、さらり見ながら通り過ぎて静謐なる教会を求めて向かった。(*004)
旧軽銀座に入る前に自転車を止めずに、押してくればよかったとちょっと後悔。チャーチストリートを抜けると、自転車の方が楽そうな距離だったから。昨日の観光の影響で、結構足の裏が痛くなっていたので、僕はともかく妻がちょっと心配だった。
チャーチストリートを抜けると、目的の一つ目の教会聖パウロ・カトリック教会は、すぐ目の前だった。そこを見た後、2つ目の教会に行くのだが、教会巡りの観光のお話しは次のページでまとめたいと思う。
2つ目の教会を目指している途中に迷うことを恐れ、また旧軽井沢銀座通りに戻ったのだが、そこで式場にぶつかり、そして丁度式の最中で、観光客も立ち見していた。・・・が、写真を撮ったのは、案外僕だけのようだね。雰囲気がいかにも理想的な軽井沢の中で、観光客に見つめられての式は、列席者にちょっと照れが感じられた。たいへんお日柄もよく、おめでとうございます!!末永くお幸せに!
式場の玄関内で写真を撮っていた僕は、すぐ側のトイレを見たとたん、突然の余剰水分排泄の欲求に気が付いたが、関係者でもないのに、さすがにトイレだけ借りる勇気は無く、いささか我慢することとした。こういう場合、男はちょっと便利。僕にとって、トイレの象徴となってしまった式場は、軽井沢クリークガーデン。
式場の向かいは、つる屋旅館だった。江戸時代初期の中山道街道筋の茶屋であり旅籠屋であった創業すること400年の歴史を持つ旅館だ。
島崎藤村、芥川龍之介、志賀直哉、谷崎潤一郎、室生犀星、堀辰雄(*005)といった、小・中学生の頃、国語の教科書でいやいや読まされ悩まされた作品の著名人達が宿泊した、とっても形容動詞、副詞、連体詞、接尾語、さ変形動名詞が、わんさか詰まってそうな趣きのある旅館だ。
